notes 4

■遠いところでも設計監理できるの?
最近IT化社会でインターネットでお互い遠い地域でも設計監理ができるとか一部で動き始めているようですが、予算がある場合や大型物件でない限り、住宅レベルや小規模な建物であれば、ある意味わたしは反対です。ほとんどのことは、現在インターネットでできます。メールで打ち合わせしたり、図面を送ったり、現場状況写真をモニターでみたり表示したりすることも可能です。(実際、私もそういった便利なことは、利用していますし、お互いのメリットもたくさんあります。)しかしそれは建築の一部を画面上で、みているに過ぎないのです。実際こまめに自分で現場に足を運んで、自分の目でみて触れてでしか伝わらないことや、判断できないことがいっぱいあるのです。

確かに言葉で言い表すよりメールで文章にした方が、素直な気持ちを伝える事ができる場合もあるでしょう。
そんな時は、メールでどんどん、やり取りすればいいじゃないですか。現場に行けば行く程、一般監理項目以外にも、ただボーッと見ていたって発見できることがあるのです。それが早く発見できれば、すぐに直すことができるのです。職人の後戻りも少なく済みます。遠ければ遠い程、交通費や出張費、時間が、かかります。その負担は設計料に組込まれます。ほとんどの場合は限られた予算の中での最大限の努力が必要とされる状況です。クライアントのことを思えば、地元によい建築家がいるなら、近いところにこしたことはありません。ですから、私の場合は、愛知岐阜三重が限界だと思っています。
大手組織事務所であれば、上司の目を気にしてでなければ必要回数以上現場も見に行けません。近ければ近い程、ほんの余った時間に自分の意思で現場に行けるのです。当然行けば行く程、建物もよくなるのも事実なのです。

 でも間違えないで下さいね。現場が全てといっているわけではありません。私の方針としては、まずしっかりとした図面があってはじめて、現場がある。
ということです。施工者側にとって、納まりは、そちらで考えて、とかどうにでも判断できるような図面ではダメだということです。ですから実施設計では、できる限り細かい納まりまで考えて現場がすんなり行くような図面を、つくることを念頭においています。また仕様や創り方のはっきりしない図面では、業者の見積りも変わってきます。どうしても安全率を上乗せした見積りが出てしまうのです。また逆にその仕事が欲しい為に、仕様のはっきりしないところは、最低の仕様で見積もって極端に安くでてくるところもあるのです。クライアントにとってはそりゃ安けりゃ安いほうがいいに決まっています。飛びつきます。
でも現場に入って、設計段階で十分な仕様説明も受けていなければ、変更追加の連続となります。終わってみれば莫大な追加金額に驚くのです。お金のある人は、追加がいくらであったとかの金額を自慢し合いますが、普通の人にはたまりません。

ハウスメーカーや、工務店の設計施工の話しであれば、そんなものじゃないの、と言えますが、もしそこに設計監理として名前をあげている設計事務所の存在があって、そうなったとしたら最低です。みなさんそういうところだけには、引っかからないで下さいね。計画だけはいいのに、設計料が安いからという理由で実施設計で手を抜く人(できない人)も結構いますから。気をつけてください。その事務所の過去の図面の内容をみせてもらうのも一つの手です。私のところでは、最近の物件に関しては一般青焼き図面に加えて、意匠図だけは、オールカラー実施図としています。施工者にもクライアントにもすごく分かりやすく、お互いの意思疎通やイメージ確認がしやすく好評です。ここまでやっているのは僕しかいないという、自負をもってやっていますので、一度見に来て下さい。

<<-- Index , <- previous
next -->>