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■建築家って儲ると
建築家って、儲ると、多くの方は思われていますが、特に住宅レベルのものを主として手がけている善良な建築家というのは、まじめにやればやるほど儲からない職業なのです。
同じ職業の友人からはいつもおまえは、やりすぎ、やってあげ過ぎと叱られますが、やり出したら止まらないのです。職人の性なのです。ローコスト住宅を設計していて建築費がどうしても納まらない時でも、、ただでさえ割にあわない自分の設計料まで削ってでも実現させてあげたいという気持ちになってしまうのです。(自分の家さえ建てれる予定もないのに)株式会社事務所の所長なら失格ですね。逆に、儲けようとかは思ってはいません。こんな時代です。なんとか生活していければいいというレベルなのです。きれいごとでいっているのではありません。逆にこの職業を追求すればするほど儲けてはいけない仕事なのです。単なる○○デザイナーではないのです。この仕事が好きでやりがいがあるから続けられるのです。ただそれだけです。
だから自分の仕事に厳しくできるのです。なにもこわいものなんかないのです。それが一番強いのです。
 同じ第3者性を問われる医者や弁護士でも不要な薬をだしたり、ベッドが空いていれば入院させたり、依頼者の知らないところで弁護士同士がつるんで、きっちり話し合いはできていて、お金だけいっぱしとられたり、そんなビジネスに走ってしまうお金の亡者にはなりたくありません。そんな人いっぱい、いますけどね。
またハウスメーカーや工務店の支配下に入っていて、言いたいことも言えず、大学出たての建築ど素人の若い営業マンのいうとおりサービス間取りを考えて、なんて今の私にはとてもできません。(昔はやってました。)第3者性が必要とされる職業ゆえ、お金はなくても、何のしがらみもない自由な立場に、いるからこそ正当な判断を下すことができますし、自由な発想もできるのです。でも将来をめざす若い人達のためには、もう少し僕達の世代が何とかしていってあげないと、将来の設計界も心配です。
■これから設計をお考えの方へ
いろいろなところでやってみたがどうもしっくりこない、という方、遠慮なくご相談下さい。 遠慮なさらずに、まずはメールでも電話でもかまいません。
会って話しを聞いてください。人には相性というものもあります。私の顔が嫌だったり、話し方やしぐさが嫌だったり、服装センスが嫌だったり、好感がもてそうになければ、その場で断って頂いて結構です。全てはそんな些細なことでも大切なことです。あなたとわたしが合うか合わないか、これから一緒に信頼関係を築いていけるかどうかの第1段階なのです。私の方は、ちょっとやそっとのことでは、驚きません。
普段は大雑把なO型性格なので私のほうは許容範囲は広いのです。(緻密なのは仕事の面だけです。)何でもいいやというかたはお好きなハウスメーカーさんへ行ってください。お金はないけど人生こだわって生きたい人の力にはなります。そして私の作品を見て下さい。私のクライアントの意見も聞いてください。
そして私に信頼が持てそうであれば、その場で設計契約などとは申しません。敷地を見させて頂いて、法的地域的規制等を調査し、計画図を作成致します。
計画図を見て判断願います。御自分の思っていたこととはかけ離れているようでしたら遠慮なく断ってください。なんか違うなとお思いでしたら遠慮せず、早めに断ってください。お互い貴重な時間の無駄遣いです。計画図まで作成してお断りされる場合はあなたのお考えになられる金額で結構です。気持ちの問題なのです。最低でも1週間くらいは、あなたのために時間をさいて考えている事さえ分かっていただければ。あなたの判断にお任せ致します。
気持ちは、労いの言葉だけでも十分です。 しかし、ここまではタダでやりますといえばハウスメーカーと同じになってしまいます。よく5社、6社見積りをとって、比較検討される方がいます。それはそれで良いことだと思います。当然のことです。しかし自分自身が残りの4社なり5社にきっちり断られる覚悟も決めて依頼されるのであればのことです。電化製品や車のように、あらかじめカタログがあって、定価があって現物があって同じ製品を比較する場合でも、買い手は自分で
いろいろなところをまわって決めるというのに、ハウスメーカーの住宅の場合は、何者も営業マンを時間ごとにきめて自宅に呼び寄せ、買う気もないところまで、何度もプランし直させたり規格であるものならまだしも、名目上、一般に、フリープランとかいわれているものなどは、ハウスメーカー社内では図面を書ける人は、ほとんどいませんからお抱えの設計事務所にやらせているのです。その事務所はラフプラン代金として3万なり、5万なりがその都度支払われているのですが、ボツになった場合には、そのお客様への請求はしないだけで、そういった経費は他の契約した客の見積りに上乗せされてされているのです。でも客も客です。人がそれだけ、そのひとの為に真剣に動いているのです。いくらなんでも分かるでしょう。いくら商売だからといっても、結局は人間対人間です。きっちり誠意をもって断れる、まともな人が本当に少なくなっているようです。そして失敗したり、欠陥にハマったりするのはだいたいこういうタイプの優柔不断な人とか、オレは施主でお金をはらうのだからオレが一番偉いと思っている人、自分で意思決定できず外部の声に左右される人なのです。
ハウスメーカーでも「この営業マンに惚れ込んだ」と即決してしまう人は案外うまくいくのです。この営業マンは「じゃあこの人の信頼に答えよう」と努力します。
すべての根本は人と人の信頼関係が大切なのです。でもその数年後には、もうその営業マンはいないのです。私達建築家っていうのは、一生あなたのパートナーであり、相談者であることができるのです。建物も、生き物です。メンテナンスを怠ればどんどん劣化します。アフターメンテナンスがしっかりしてるからとかでハウスメーカーや設計施工で頼んでも、メンテナンスであれば、利益追求の企業である以上、組易しおもわれれば、法外な金額も請求されるのです。
大企業だってどんどん潰れる世の中です。なくなってしまったら誰に相談したらいいのか途方にくれるのです。そんな時ふと郵便受けに、外壁をきれいなサイディングにしませんか、塗り替えませんか?耐震補強をしませんか?とかいった甘い誘い文句のDMのチラシに、はまってしまうのです。金額が妥当かどうかなんて、素人には想像もつきません。相手の言うがままなのです。そんな時、私達の存在があれば、無駄なお金は払わなくて済むのです

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