建築家って、儲ると、多くの方は思われていますが、特に住宅レベルのものを主として手がけている善良な建築家というのは、まじめにやればやるほど儲からない職業なのです。
同じ職業の友人からはいつもおまえは、やりすぎ、やってあげ過ぎと叱られますが、やり出したら止まらないのです。職人の性なのです。ローコスト住宅を設計していて建築費がどうしても納まらない時でも、、ただでさえ割にあわない自分の設計料まで削ってでも実現させてあげたいという気持ちになってしまうのです。(自分の家さえ建てれる予定もないのに)株式会社事務所の所長なら失格ですね。逆に、儲けようとかは思ってはいません。こんな時代です。なんとか生活していければいいというレベルなのです。きれいごとでいっているのではありません。逆にこの職業を追求すればするほど儲けてはいけない仕事なのです。単なる○○デザイナーではないのです。この仕事が好きでやりがいがあるから続けられるのです。ただそれだけです。
だから自分の仕事に厳しくできるのです。なにもこわいものなんかないのです。それが一番強いのです。
同じ第3者性を問われる医者や弁護士でも不要な薬をだしたり、ベッドが空いていれば入院させたり、依頼者の知らないところで弁護士同士がつるんで、きっちり話し合いはできていて、お金だけいっぱしとられたり、そんなビジネスに走ってしまうお金の亡者にはなりたくありません。そんな人いっぱい、いますけどね。
またハウスメーカーや工務店の支配下に入っていて、言いたいことも言えず、大学出たての建築ど素人の若い営業マンのいうとおりサービス間取りを考えて、なんて今の私にはとてもできません。(昔はやってました。)第3者性が必要とされる職業ゆえ、お金はなくても、何のしがらみもない自由な立場に、いるからこそ正当な判断を下すことができますし、自由な発想もできるのです。でも将来をめざす若い人達のためには、もう少し僕達の世代が何とかしていってあげないと、将来の設計界も心配です。
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